相続支援のための基本的な考え方
相続支援は自らの相続対策を生前に行おうとする本人、あるいは、相続発生後の相続人を顧客として、
その依頼に基づいて行う業務です。依頼を受けるには、顧客の意思を明確に確かめることが出発点です。
正式に依頼を受けた場合に、次に行うのは、個別の顧客において、どのような事情があるのかを
正しく、具体的に把握することです。相続支援コンサルタントは、依頼者の家族構成や保有財産の状況を
知って、家族の財産に対する思い・予想される相続税などを確かめなければなりません。その上で、
個別の顧客に関する相続対策の必要性を考え、顧客の望む相続を実現させるための問題点を抽出し、
解決ための具体策を専門的な観点から分析し、検討・提案・実行支援をしていきます。
なお、顧客からの資料の提出を受けたり、情報を提供してもらうことについては、顧客の意向に
沿って行わなければならないことに、十分に注意を払うべきです。かつては、相続税は一定の資本家に
課税される税金であり、普通の人は考え方について何も知らなくて良かったのですが、現在では
「税務上の考え方」や「相続税の税務調査ではどの指摘されるか」などを、多くの資本を有しない
一般家庭の人々を知っておかなければならなくなりました。専門家とのコミュニケーションに不慣れな
ケースもありますので、一つ一つの対応について、丁寧に理解を求めながら、進めなければなりません。
相続支援のコンサルティングは、生前本人が思い描いていた相続、あるいは相続人が考える相続を
実現させ、相続税を支払ったうえで、大事な財産と愛情を次の世代に上手に引き継がせると同時に、それを
引き継いだ家族がその後も仲良く幸せな関係を続けていくという目的で行う業務です。法律や税金的な
側面だけでなく、不動産・生命保険といった実体財産が錯綜し、複雑に関係してきます。この目的を
達成するためには、それらに関する幅広い知識やノウハウが不可欠であると同時に、相続発生後の
各種手続きの業務が分かっていないといけません。高い専門性と経験とノウハウを持った者が他の資格者
(弁護士、税理士、資本書士など)と連携しながら、適切のプランニングと実行支援を行います。
被相続人の資本全体を把握することが相続対策の基本ですが、相続において望ましい結果を導くための
キーポイントは不動産の取り扱いとなります。相続開始前には、本人の不動産を把握し、相続に対応
できるように不動産の状態を組み立てておくことによって、相続開始後の遺産分割と相続税納付の円滑
さは全く異なりますし、相続開始後には、不動産をどう評価し、どう分割し、どう申告・納付に活かすか
によって、納税額は大きく変わります。不動産の知識と経験とノウハウを持った専門家と連携しつつ、
土地所有者の申告・納付までを総合的に支援します。